11月21日(土)、南九州大学都城キャンパスの新研究棟1階会議室において、本学教養・教職センター教授の澁澤透先生による教育講演会が開催されました。(後援: 都城市、都城市教育委員会、宮崎県教育委員会)
演題は、「現代社会と道徳教育」
講演では、はじめに、心の教育として道徳教育が注目される背景として、諸外国と比較しても、日本の子どもたちの自己肯定(自尊感情)が低く、能力に対する自己評価の低さが自己肯定感の低さに結びついていることが紹介されました。
そして、子どもたちの自己肯定感が学年とともに低下することと、日本における家族や社会の変化にともなって、子どもたちが、生きづらさに取り巻かれていることが紹介され、そこでは、家族や社会のきずなが希薄になり、一人ひとりが「制度」や「市場」に投げ出された状況といえる、個人化が進んでいるという現状が示されました。
その中で、個人のあり方として、携帯の利用などに見られるように、身近な人間関係が変容しつつある日本の子どもたちの分析が紹介され、こうした状況を乗り越えるために、市民教育としての道徳教育が必要なことが提案されました。
講演の後の質疑応答では、学校現場の経験などからも活発なご意見をいただき、学校の先生方をはじめ一般の方々を含めて約20名の方々に参加していただき、有意義な交流の機会となりました。